秋分の日 母と面会

秋分の日
お墓参りをすませて、母のもとへ
おむつ1袋半
パッド2袋
着替え 2回分
かなりの重みがある荷物
今まで、妹に任せっきりだった。
ごめん。
少しだけ私なりに関わろうと思っている。
2週間ぶりに再会した。
今日の母は、落ち着いている。
が、姿勢は最悪。
「まーきのっ!」っていうぐらい、首が90度右に傾いている。
真っ直ぐでは、母と目線が合わない。
私も90度に首を曲げた。
一緒に笑った。
「あんちゃんか?」
「何で来てくれたんか。」と。
一粒の涙が母の頬をつたう。
自分で涙を拭うことできなくなった母。
頭皮が痒いと訴える母。わたしは代わりに優しく母の頭皮を撫でる。
「ひーさんは?」
「畑仕事してくれてたよ。」
「そうか。」
YouTubeにアップしているハーモニカを演奏する母の姿を一緒に視聴した。
今日は、「自分」という認識があるようだった。
首で、リズムを取る母。
「何の曲かわかる?」
「わからん。」
「琵琶湖・・・」
「就航の歌」 母、正解!
「むすんで・・・」と自ら発した。
今日は、言葉もたくさんあった。
「もうここいやや」
安心した反面、寂しさが募る。
「今日は、秋分の日やし、お墓参りしてきたよ。お父さんの」
ピピピと、いつものキッチンタイマーの音。
「・・・お父さんの」と母は少し涙ぐみ、目を閉じた。
ふと人影を感じたが、私は続けた。
「今度、行こうな・・・お墓参り。」
母は大きく頷いた。
そっと、見守ってくれていた介護職員さん
この間合いがわかる彼女に感謝が込み上げてきた。
別れ際、母は震える左手を差し出した。
さようならの合図。
一緒に見送ってくれた介護職員さの優しさを感じることができた。
どんな環境で過ごしているのか。
その環境によって、要介護5の母でも感じているのだろ。
帰り道、考えた。
退院した日には、お墓参りをしょう。
砂利道を車椅子介助できるだろうか。
今の母の状態で、2時間移動できるのだろうか。
いや、無理だ。
あの座位では、無理だ。と、私の脳裏をよぎった。
さ、どうするか。