母のスイッチ

認知症の症状が日によって、時間によって、浮き沈みがあります。
別人格も現れます。
先日の日曜日、母から正気な声で電話がありました。

母「私 泊まりに行くことにするわ。みんなに迷惑かけてるし。」
(お泊まり=ショートステイ)
「もう、しんどい。ほんまにしんどいねん。」

私「そうなんや。布団かけるのもしんどいもんな。」
「よう決めたな。お母さんなら誰とでも話せるし、楽しいと思うよ。」

母「私がそう言うてた。と、ひーさんに伝えといて。」
(ひーさん=妹)

私「明日、お風呂手伝いに行くし、また、話そう。」

俯瞰してみているつもりだったけど、電話を切った途端、涙が溢れ出ました。

一番辛いのは、本人です。
呼吸も浅く、常に緊張している状態なのだと思います。

私が実家に行くと
母「お風呂やな。ありがとう。」

親孝行させてくれて有難う。

しっかりとしている部分もあるけど
歩行が思い通りにできない。
立ち上がれない。
布団がかけられない。
常に寒くて、不安でいっぱいの母。

母「こんな迷惑ばかりかけてしまう親でごめんな。」
入浴介助は、ポロリと本音が出ます。

電話をかけてきた日、その時間、妹と話し合いをしていたようです。
妹「二人とも倒れてしまうし、お泊まりに行って欲しい。」
そう母に説得をしていたそうです。

その後に私に電話をかけてくれたのです。

「わたし 泊まりにいくことにするわ。みんなに迷惑かけているし。」