ハッピー☆エンド

「ハッピー☆エンド」とは、在宅緩和ケア医師萬田緑平先生の診療所でのドキュメンタリー映画です。
(ネタバレと感じる方がいらしたら、申し訳ありません。)
在宅緩和ケアとは、自宅にいながら鎮痛薬で痛みを抑え、身体と心の苦痛をやわらげ「生活の質」を向上させる医療のことです。
早速、大阪十三の第七藝術劇場へ
(この映画館が雰囲気あるんですよ〜)
オオタビィン監督は、「いただきます」「夢みる学校」など多くのドキュメンタリー映画を制作されています。監督のトークショーもあり、満席で立ち見も出ていました。
私は、予告編で号泣。
勿論、開始1分で号泣です。
何も知らされずに同行した同居人も「今までの映画の中で、一番泣いた」と。
人の生と死
今は日常と切り離されてしまった日本。
鬱になったことで「生きること」について、私なりに向き合ってきました。
どう死ぬのか。
それを逆算すると、「どう生きる」のか。
という問いになってきます。
私は考えました。
私は感じました。
そして、私は向き合いました。
生きるコト
死ぬコト
更に私は、父の看取り、母の認知症を通じて、「死ぬコト」「生きるコト」について、たくさんの気づきを与えて頂きました。
私の父は、突然の事故で意識不明から、生還。リハビリを頑張っていましたが脳幹部分まで出血が広がっていたこともあり、事故から1年半後に天国へ逝きました。
「ありがとう。」はたくさん言おう、と心に決めていました。
萬田先生は、言います。
(それでは弱いようで・・・)
▼萬田先生Xより
何かして貰ったら「ありがとう」。だけでなく「あなたと一緒に居れてありがとう」。
簡単だが。若いうちから練習をしといた方がいい。言えない人より言える人の方が圧倒的に歳を取ってから人に優しくされる。家族から大切にされる。言われた人は幸せになる。人に幸せを与えられる人には幸せが帰ってくる。
父は病院でのリハビリ期間が終わり、在宅での生活をすることになりました。
まだ、少しだけ言葉を発することができた父とトイレ介助でのシーンを思い出しました。父は、「ありがとう。」を言えない人。
デカい身体を介助し終えて、
私「なんていうの?」
父「・・・ありがとう。」
この時、ほぼ自分で言葉を選んで会話することが困難だった父が発した言葉でした。私の心は少し和らぎました。父との会話らしきものはこれが最後でした。
チラシタイトルにある、「笑おう!生きよう!」というコピーが強烈に胸に刺さっています。「笑う」「生ききる」を中心において、生きているつもりですが・・・ただ、これが難しい。鬱になるだけあって、基本的には、過去を引きずり、未来が不安で、ネガティブ思考の私ですから。
(自分の取り扱いが一番しんどいです。笑)
母は、鬱になった時期もあったのかどうか私は知りませんが、認知症になる要因である〈ストレス〉は、多く抱えていたように私は感じています。
在宅緩和ケアは、がん以外の疾患でも必要に応じて利用できるそうです。
がん以外の疾患に認知症も含まれています。
病院への通院が難しい方や、自宅で過ごしたいと希望される方のために、医師の往診や訪問看護を受けながら、在宅で緩和ケアを受けることも可能です。
認知症は他者との意思疎通も困難になります。母らしくある場面は、徐々に少なくなっています。
「さよならのない別れ」です。
長生きすれば誰もが認知症になります。
ガンで死ぬ方がゆっくりと、みんなとお別れできる。
認知症は自分が自分でなくなってしまう。
どんな死に方をするように決めてこの世に生まれてきたのか分からないけれど、今を楽しく生きることはできると思います。
笑おう!
生きよう!
私と一緒に時間を共にしてくれる全ての人へ
そして、まだ会えていない全ての人へ
「あなたと一緒に居れててありがとう」
一緒に笑って、
一緒に生きてくれる人がいるって幸せだな〜。