母親らしさ

「らしさ」
デザインをする上で、
「らしさ」は重要です。
企業の独自性、商品やサービスなどの「らしさ」を外に伝える役割が、
デザインです。

しかし、男らしさ、女らしさ
父親らしさ、母親らしさ、
子どもらしさ・・・

私は、このように使う「らしさ」をあまり好みません。
「らしさ」とは、そのものの特徴がよく出ていることを表すそうです。

母親らしく
妻らしく
嫁らしく
勝手に自分の中に「像=らしさ」を作ってしまい、自分自身を苦しめていた時期がありました。

育てられ方、育ち方でしょうね。
鬱になって気づいたことは、
「自分を生きる。」これが重要だと。認知症になった母は、
もう母「らしく」ありません。

一人のひと「自分を生きている。」そんな感じがします。
母らしさが薄れてきた母とわたしは向き合っています。
じんどくて、しんどくて。
妹がいないと死んでしまいそうなぐらいに精神的にも弱っています。
認知症の症状があるので、
どこがどのように痛むのか。苦しいのか。
何が不安なのか分からなくなっています。(本人の辛さは本人しかわからない。自分ごとに置き換えると私は恐ろしく不安になります。)

母親らしい母がなくなった。
なくなったら、なくなったで、
母親らしさを求めるわたしの中の矛盾。

叔母が、「収穫した野菜を取りにおいで。」と連絡をくれました。
叔母も母と妹のことを気にかけてくれています。

「らしさ」を好まないわたしだけれど。叔母に母を重ね合わせてしまう。

記憶が薄れていく母。
もう、一人のひととして、生きてくださいね。

『自分を生きる。』

ここからが、母とわたしのストーリーのはじまりなのかもしれない。

わたしは母のこと
あまり好きではなかったから・・・